週末農業をはじめた経緯

きっかけは農業とまったく関係がない。

生ごみ削減から始まりました。


鹿児島市では、「家庭ごみマイナス100グラム」という取り組みをしています。


自分も少しでも貢献できればいいかなと思い

「生ごみ」を減らしていくことを決めました。


まず最初に人参やじゃがいもなどの野菜は皮まで食べることにしました。

ゴミも減るし栄養にもなるから一石二鳥です。


生ごみは減りましたが、ゼロにはなりませんでした。

そこで「コンポスト」という生ごみ処理機を使ってみることにしました。

家庭用コンポストで生ごみを分解

自然にカエルS
コンポスト
コンポスト

購入した「自然にカエル」というコンポストは1日700グラム程度分解できるそうで、

実際に生ごみを投入するとものすごい勢いで分解してくれます。


室内に置いていますが、においも特に気になりません。



家庭用コンポストの限界

ただ、このコンポストにも分解能力に限界がありました。


最初は勢いよく分解していたのですが、2~3ヶ月も使うと分解しなくなってしまいます。

分解しなくなったコンポスト内のチップは、何らかの方法で処分し、また新しいチップに入れ替える必要があります。


処分方法については、燃えるゴミとして捨てる方法が考えられますが、家庭ゴミを減らすという趣旨に反してしまうため、再利用できる事が理想です。


生ごみを分解したこのチップは有機肥料としても使えるため、家庭菜園の肥料として利用する事も考えました。

ですが、庭のない自宅では使う量に限界があり、大量のチップの処分に困ってしまいました。

サラーリーマンでもできる週末農業へ

チップの処分方法を色々と考えましたが、やはり畑の肥料として使う以外に有効活用できる方法が思いつきません。

そこで、ダメもとで安い土地はないか、探してみる事にしました。

サラリーマンでも買える安い土地があれば、家庭菜園として利用できないかと考えたのです。


探してみると、車で30分程の郊外に意外と安い土地が売り出されている事が分かりました。

鹿児島などの地方は空き家などの休眠地も多く、住まなくなった土地を手放す方が意外と多いのです。


いくつかある候補の中で、畑付き、山付きの土地を購入する決心をしました。

総面積は1500坪程あり、畑も十分な面積があります。

コンポストで発生したチップを畑にまく事で、有機栽培の野菜を育てる事ができ、一石二鳥です。


購入した土地は車で30分程の距離にあるため、週末農業を始めるには最適です。

裏山には竹が生えており、春はタケノコ狩りなど、色々と活用できそうです。


家庭ごみを減らすという活動からスタートし、コンポストの使用済みチップを有機肥料として活用し、有機栽培の野菜を育てる循環型の農業。


最近、持続可能な社会を実現するための活動として、SDGsの認知度が上がってきています。

小規模ではありますが、その活動の一環を担うことができるのではないかと考えました。

「SDGsな週末農業」というスタイルは、ここからスタートしました。

荒れた畑の開墾からスタート・・・

もう何年も放置された畑には、背丈を超える高さの草(木?)が生い茂っていました。

このままでは野菜を育てる事はできませんので、まず畑の開墾から着手しました。


始める前は、草を刈って土を耕す程度だろうと甘く考えていましたが、実際にやってみると草木の根っこが生い茂っており、クワとスコップで何度も土を耕さないと、根っこの除去ができません。

週末農業はいい筋トレになる事にも気づきました。


サラリーマンが耕運機などの機械を持っている訳もなく、全て手作業で開墾していきます。

週末のみの時間でこの作業を繰り返し、畑として使えるレベルになるには1年かかりました・・・

堆肥床の設置

コンポストで出たチップを再利用するため、堆肥床(たいひどこ)を作ることにしました。

畑で刈った草や、周辺の落ち葉を土に混ぜる事で、有機栽培となる畑の肥料を作ります。


一般的には地上に木枠で囲った箱のようなものを設置し、その中に土や落ち葉を入れる事が多いと思います。

週末しか行けない当農園では、台風などで壊れてしまったり、中のものが飛んで行ってしまうリスクがあります。


そのため、地上ではなく地下に穴を掘って、そこに堆肥床を作る事にしました。

地上に作る場合は木材なども多く使用し、釘などの材料も使い頑丈に作る必要があります。

地下に穴を掘って作る場合は、最低限の枠組みさえ作ってしまえば、土の壁が支えてくれるため、少ない材料で簡単に作る事ができます。


枠には裏山に生えている竹を使う事にしました。

放置竹林となった裏山の竹の処分にも困っていたため、一石二鳥です。


まず、1m × 2m四方の穴を掘ります。

そこに4本の竹の支柱を埋め、支柱の外側に竹を重ねていくと、釘や針金などを使わなくても枠を作る事ができました。

竹の外側が土壁になっているため、中に物を詰めても壊れる事なく、台風が来ても安心です。


出来上がった堆肥床に、落ち葉や雑草などを入れていきます。

今回は、裏山のタケノコを収穫した際の皮なども混ぜてみました。

家庭用コンポストの使用済みチップもここに混ぜます。

最後に中身が埋まる程土を被せ、余った竹で蓋をしたら完成です。


本来は雨水が入らないように、ブルーシートなどを被せるとよいので、次回までに用意したいと思います。

この状態で1ヶ月程放置すると、中身の分解が進み、野菜の有機栽培に利用できる堆肥が作れます。


処分に困っていた家庭用コンポストのチップは、このような形で再利用できました。